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今注目すべき、サスティナブルな話題

生理用品業界に革命が起こっている。ジェンダー意識が問われる今

この話題に関わるSDGsの目標

photo by unicharm

2019年6月、ユニ・チャーム株式会社が生理用品ブランド「ソフィ」にて、「女性がより自分らしく過ごせる社会を目指し、自分に合った生理ケアを行うことを推進する」と目的を掲げ、『#NoBagForMe』プロジェクトを開始、SNS上で日本の女性たちより大きな反響を呼びました。

■NoBagForMeプロジェクトがtwitterでなぜ話題に?〇〇がとんでもなく可愛い!

photo by NoBagForMe PROJECT

twitterにてNoBagForMeプロジェクトは、3つのパッケージデザインアンケートを開始し、世の女性の話題となりました。

パッケージ案は3つ、一つ目ははうつろいやすい生理期間中の体調を朝焼けや夕焼けの空の色に託した「SKY」デザイン、二つ目はブルーやパープルといった誰でも手にしやすいシンプルで落ち着いたカラーの「SIMPLE」、三つ目は生理中でも猫のようにゆったりと過ごしてもらいたいという思いで猫の顔がデザインされた「CAT」と、どれも今までのタンポンのパッケージとは異なった、洗練されたデザインが発表されました。
twitterでもどの案が良いかとアンケートを取っており、どのパッケージに対しても「このタンポンパッケージなら欲しい!」といった今までのパッケージのイメージが変わったという声が多く上がりました。
また、市場調査としても大阪の梅田大丸などでアンケート投票を実施したりなど、SNS上だけではなくリアルなコメントも求め、商品の開発に力を入れている様子が見られました。

■気になる投票結果は…

気になる投票結果は2位と0.3%の僅差で猫のデザイン「CAT」が1位となりました。
2位は空の色をデザインした「SKY」でしたが、あまりにも僅差だったため、プロジェクトメンバーの間では何度も議論が繰り広げら、人気高い「SKY」のデザインも商品化できないかという意見も多く、様々な生産調整対応に奔走した結果、ナプキンやライナーであればタンポンと同時に生産・販売ができる可能性があると発表されています。
今回のプロジェクトで販売することが決まった生理用品は、ドラッグストア及びAmazonなどで年内に発売される予定です。
このプロジェクトではデザインの開発だけではなく、「男女分断の初経教育」や「親子間での初経教育の在り方」などの必要性、そしてそれらを伝えやすくするアイデアといったことにも着目した取り組みとなっています。

■「#NoBagForMe」プロジェクトには男性も参加、関わることで「作り手の現場から意識を変えていく」取り組み

「#NoBagForMe」プロジェクトのスタッフの男女比率はほぼ半々で、パッケージデザインを担当するのは「幼い頃からずっと、男らしさ・女らしさって何だろう、と考えてきた」という若手男性デザイナーが担当しています。
自身が幼い頃、かわいいものが好きだったことで「男らしくない」と言われるなどの傷付いた思い出や、美大の卒業制作では「デザインにおける性差」をテーマにする作品に取り組んだ経験から、「女性だから」という固定観念に縛られない、幅広く自由な発想でより多くの人に届くデザインを考えている、と発言されています。
男性も積極的に関わることで「作り手の現場から意識を変えていく」、それが消費者や社会を変える大切な一歩に繋がっていくといえます。

■生理用品の普及、実はほんの58年前…遅れている日本の女性衛生問題

実は日本の生理用品の普及は戦後しばらく経っても発明されませんでした。
1960年代、高度成長期時代だった日本では、まだ脱脂綿にちり紙を巻いたものや、縫った使い古しの布を女性達は使用するしかありませんでした。
使い捨てナプキンが販売されるようになったのは、1961年11月。アンネ社が「アンネナプキン」を「40年間お待たせしました!」というキャッチコピーとともに革新的に登場しました。
アメリカでは紙ナプキン「コーテックス」が1920年代に既に販売していたことから、この「40年間お待たせしました」という、世の女性の悩みを救うような言葉になったといいます。

タンポンはというと、実は1938年ともう少し早く日本に登場しています。しかしタンポンを製造するに当たって原料不足などが原因で普及が難しく、また各々自己流でのタンポン使用が問題になったり、その後もタンポンを使用すると結婚できないなど迷信が多く触れ回ったりと、いいイメージが根付きませんでした。
その後アンネの普及と共に1963年頃世に認知されるようになり、今現在では普及率が有経女性全体の2割と使用普及が高まっていますが、アメリカの普及率6割と比べまだまだ日本での普及の伸びが問題視されている状況です。

■海外のタンポン事情はどうなっている?

・斬新なアイデアで世界中の人々が注目した「タンポンブック」

タンポンのサブスクリプションモデルを展開するドイツのスタートアップ企業「The Female Company」が革新的です。
ドイツの消費税率は19%と日本の倍近い税率ですが、食品などのいわゆる生活必需品は7%と、低めに設定されています。
三大珍味のトリュフやキャビアなどといったいわゆる”高級品”は消費税7%、しかし生理用品は19%。高級であるトリュフやキャビアは生活必需品で、生理用品は贅沢品の扱いとなっていることに、ドイツ国内で大きな疑問が生じていました。

そこで2人の女性起業家が考えたのが、7%の軽減税率が適用されている本の付録にタンポンを用いる、という斬新なアイデアでした。
生理用品であるタンポンは、通常購入する場合は19%の税率が適用されますが、本の付録として販売されれば7%で購入できるという、まさに税制の穴を狙ったアイデアです。
この本「タンポンブック」は、生理用品に関するユニークな記事が40ページに渡り掲載されており、付録を15個のタンポンをつけ販売したところ、なんと1日で売り切れという大反響。
第2版も1週間で売り切れるという話題性が高い商品となりました。
インフルエンサーや政治家もこのタンポンブックをSNSでシェアしたりなど、社会で大きな注目を浴び、世論に問題を提起するかたちとなりました。

また、世界にある数々の広告・コミュニケーション関連のアワードやフェスティバルの中でもエントリー数・来場者数ともに最大規模を誇る「カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル」では、多くの作品がエントリーした中から「タンポンブック」は2019年PR部門のグランプリに選ばれるという快挙を成し遂げました。

■日本にも間もなく訪れる増税…今後生理用品はどういう扱いになる?

日本では1989年に3%でスタートした消費税。その後段階的に引き上げられ、2019年10月には10%と家計への負担はかなり大きくなりつつあります。
しかし海外では既に20%を超える国も少なくありません。
そういった国では食品や水、薬などの生活必需品は低めの消費税が設定されているケースが多くなっています。
そんな中、生理用品の購入にあたり月に1,000円かかるとして年間12,000円とすると、15歳から始まって50歳で閉経したとしても35年、総額は42万円にのぼります。
長い間そういった点に疑問を持ちつつも、なかなか声を上げることができずに諦めてきたことも多くありましたが、今後ジェンダー意識も高くなってくるだろう現代、少しずつその問題と向き合い始めアクションを起こす人たちもより多くなり、より女性にとって生きやすい時代に向かうのではないでしょうか。

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