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日本が最高峰・サスティナブルレストラン賞受賞!その取り組みと情熱とは

この話題に関わるSDGsの目標

私たちの生活に必要不可欠な「食」は、命や健康を繋ぐために重要なものであると同時に、毎日の「楽しみ」のひとつでもあります。

誰にとっても深い関りのある「食」だからこそ、自然環境や健康にやさしいものであることが大事です。

今回は世界が認めるサスティナブルレストラン賞を受賞したレストランと、そのオーナーシェフが積極的に取り組んでいる活動についてご紹介していきます。

■環境や伝統を守るレストランに与えられる「世界のベストレストラン50」のサスティナブル賞

・2018年度サスティナブル賞を受賞した「アスルメンディ」

「世界のベストレストラン50」に設けられている表彰の一つにサスティナブル賞という賞があります。

この賞を受賞するには、地球環境と共存し、伝統的食文化を守りながら新しい食の可能性を発信するレストランとして認められることが不可欠です。

2018年にこのサスティナブル賞を受賞したのはスペインの「アスルメンディ」で、最年少で三ツ星を獲得した世界的シェフとして知られるエネコ・アチャ・アスルメンディ氏がオーナーシェフを務めるレストランです。

伝統的なバスク料理に革新性を加え、新しいバスク料理のメニューにも挑戦し続けています。

 

・デザインから全て、環境に配慮したシステムを構築

2010年にお店がデザイン・設計されたアスルメンディは、建設においてリサイクル素材を積極的に活用しています。

ガラスの屋根にはソーラーパネルを設置し、雨水をリサイクルするなどといった環境にやさしい取り組みを行っています。

レストランの屋上階にある温室ではバスク土着の種子を保存し、料理に使用するハーブの栽培なども行っています。

この建物は、再生可能なクリーンエネルギーを促進しグリーンビルディングの認証を実施している「LEED(Leadership in Energy&Environmental Design)」のデザイン及び建造証明書を取得しています。

 

・自然環境や労働環境をリスペクト、徹底した環境づくりとは

環境保持にこだわるエネコ氏の思いは建物のことだけに留まりません。

CO2排出量削減のため、物流センターからの配送はトラック1台で1日1回のみに制限するなど、すべてのサプライヤーにエネコ氏のオーガニックフィロソフィーに沿ったモノづくりにおいて徹底しています。

他にも

 

・従業員の労働環境の確保

・生ゴミを毎日コンポスト化して肥料センターに運んで活用

・バスク土着の種子を400種以上保管する種子バンクの立ち上げ

 

などといった「エネコシステム」と呼ばれるサスティナブルな取り組みを積極的に行っています。

 

エネコ氏は雑誌のインタビューにおいて、

 

「私たちは環境の番人として、周りの自然を守るために働く責任があります。需要に合わせながらも、私たちの知識や技術を社会福祉のために使うのが使命です。レストランを通じて環境、健康、社会的生活、そのどれに対しても持続可能な世界を創り出すために、ささやかであっても貢献したいと思っています」

 

と語っており、様々な取り組みに対して徹底したスタイルを貫いています。

■「食のサスティナブル」に取り組む日本のシェフ生江史伸氏の思い

・「アジアのベストレストラン50」のサスティナブルレストラン賞は日本の「レフェルヴェソンス」

アジアの中で最も感動した店に贈られる「アジアのベストレストラン50」の中に設けられている「サスティナブルレストラン賞」はイギリスに本部を置くSRA(サスティナブルレストランアソシエーション)という認証団体が評価を行っています。

評価基準は主に

 

「食材の調達基準(Sourcing)」

「環境に負荷をかけないこと(Environment)」

「人が無理なく働き続けられること(Society)」

 

の3つを中心に査定しており、具体例として、地球にやさしい方法や貧困層の搾取に繋がらない方法などで生産された野菜や魚、乳製品や畜肉等を使っていることや、フードロスやゴミを可能な限り減らすこと、電気やガス、水などのエネルギーを効率的に使い無駄をなくすこと、そしてスタッフの労働時間、休日数など労働環境を向上させることなどが評価の内容となります。

 

2018年度にこの「サスティナブルレストラン賞」を受賞したのは東京のフレンチレストラン「レフェルヴェソンス」でした。

レフェルヴェソンスは、ミシュランガイド東京2015の二つ星レストランに選ばれたこともある実力派のレストランです。

シェフはイタリア料理店「アクアパッツァ」や、「ザ・ファットダック」などで研鑽を積んだ生江史伸氏で、生江氏は継続してエシカルでサスティナブルな食材探しの旅を続けています。

 

「レフェルヴェソンス」が直接取引しているのは自然農法、有機農法、減農薬農法などといった地球にやさしい農法を取り入れている農家ばかりです。

さらにフードロスができるだけ生まれないようなレシピを考えたり、生ゴミはすべてコンポストを使って微生物の力によって液化させるなどといった取り組みも行っています。

・”世界一幸せな国”ブータンが国家で取り組む「サスティナブルな食」

「サスティナブルな食」を民間任せにするのではなく、国家政策のなかで打ち出している国もあります。それは世界一幸せな国とも評される、ブータンです。

生江氏は過去にブータンにある小学校を訪ねた際に印象的だったというのが、「毎週月曜日はお弁当のおかずにお肉を使ってはいけない」というグリーンデーというルールでした。また、この日はプラスチック製品の持ち込みも禁止しています。

国民総幸福量(GNH)という国家の指標を打ち出しているブータンでは「持続可能で公平な社会経済開発」「環境保全」「文化の推進」「良き統治」の4つの基本理念を柱に運営しているブータンの取り組みは国を挙げて徹底しています。

子どもの頃からエシカルやサスティナブルを意識したライフスタイルに慣れることにより、サスティナブルな生活に対して「特別なこと」ではなく「ごく当たり前なこと」として捉えることができ、結果として地球環境や自分たちの未来の幸せに繋がっていくといえます。

 

・「美味しい」から始まるサスティナブルな社会を目指す

 

生江氏は、このように強く訴えています。

 

「人の喜びに繋がる美味しさがないとサスティナビリティは伝わらない。安心・安全だけど美味しくなければ、サスティナブルになるには我慢しなくてはいけないと勘違いされてしまう。美味しさや喜びで橋をかけ、意思疎通ができて初めてサスティナブルやオーガニックの意義を伝えられる環境が整うのだと思います」

 

食は私たちの生活において必要不可欠なものです。だからこそ、持続可能な取り組みは喫緊の課題でもあります。

「サスティナビリティとは、過去から何をもらって、未来に何を残していけるのかについての方法論だと思う」と語る生江氏。

これからを生きていく子ども達の未来と地球のために、受け継ぐべきものを大切に残していける社会にしていく行動が大事といえます。

 

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