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今注目すべき、サスティナブルな話題

今評価されているサスティナブルデザインってどういうデザイン?

この話題に関わるSDGsの目標

「サスティナブルデザイン」とは環境に配慮したデザインのことを指し、これまでの大量消費型社会ではなく、これからの地球環境を考え、持続可能な社会へとシフトしていくための非常に重要な取り組みです。

今現在、地球や子ども達の未来を守るために、既に様々な活動がスタートしています。

その活動の中でも従来とは異なる発想、試行錯誤の連続、そしてそれを実行していく粘り強さも必要です。

ここでは、「サスティナブルデザイン」として高い評価を受けた取り組みの一部をご紹介していきます。

どういうことが評価される?今このサスティナブルデザインが注目されている!

地球温暖化、海洋汚染や大気汚染、森林破壊、気候変動など、私たち人類は自分たちの利便性を追求するあまり、地球環境に大きなダメージを与えてきました。

そのすべてを取り返すことはできませんが、地球の未来を守ろうという取り組みは広がりつつあります。

そこでキーワードになるのが「サスティナブルデザイン」です。

大量生産や使い捨てではなく、持続可能なスタイルを目指した取り組みです。

 

・新しくするのではなく「住み継ぐ」ことで再生へと繋がる「豊崎長屋」

 

昨今、空き家問題が社会問題が話題になっていますが、家は放置しておくと倒壊はもちろん、防犯の観点からもリスクを伴うことから、その対応に苦慮している自治体も少なくありません。

空き家のほとんどは老朽化しているため取り壊しになるケースが多いのですが、大阪の豊崎長屋は「再生」と「改修」を目的に取り組み、空き家だけではなく地域自体を活性化させた取り組みとして注目されました。

 

このプロジェクトに取り組んだのは公立大学法人大阪市立大学生活科学研究科、有限会社桃李舎、株式会社山本博工務店でした。

サスティナブルな社会の実現に向け、「老朽化し空き家になった建物を取り壊して全く新しいものに更新してしまうのではなく、耐震改修を施し、現代の住まい方に合うように直していくことで、廃れかけていた「住み継ぐ」という行為を復活させる」、「一連の改修工事に学生が関わることでストック活用のノウハウを持った人材育成に繋がる」といった目的や価値も見出された取り組みでもあります。

 

江戸時代から戦前までの長い期間、都市の住まいとしてごく一般的に浸透していた日本の長屋。大阪北区のこのエリアでは、90年前に建てられた長屋群の建物の老朽化や住人の高齢化、空き家の増加といった多くの問題が山積していました。そんな中、大阪市立大学との出会いをきっかけにコラボレーションが実現。取り壊すという考え方から一転、長屋の魅力や歴史的価値を見直し、住まいやまちを再生させる「改修」へと踏み出すことになったのです。その柱となったのは「長屋本来の魅力の再生」「住まいとしての改修」「耐震補強」の3つのポイント。江戸時代から受け継がれてきた長屋のスケールや木目の凹凸を感じられる床材を用いること、情報交換や助け合いといった共に住むという意識の芽生えや地域全体に関わってくる幅広い世代のコミュニティ、古い建物を保全・耐震改修する上で求められる技術の普及やストック活用力を持つ人材の育成など、様々な角度からサスティナブルなアプローチへと繋がるメリットが存在しています。さらに家主・大学・学生・地域住民が協力し合い、継続して改修を行っているという点が、ほかの地域ではなかなか見られない特長といえます。

 

豊崎長屋は2011年度のグッドデザイン賞の「サスティナブルデザイン賞」を受賞しており、取り壊しではなく、日本に多く残る木造住宅の再生「リデザイン」によって魅力ある住まいへと生まれ変わった居住空間の実現。この国ならではの四季や歴史を大切に考えた取り組みとなっています。

サスティナブルデザインというと、以前は住居などの建築物に主に用いられていた言葉でしたが、近年では様々な分野で使われるようになってきました。

そしてそれは私たちの生活の中の当たり前なシーンや、ごく身近なものにも広がりを見せています。

・オーガニック栽培への移行期間をサポートする「プレオーガニックコットンプログラム」

先進途上国では、綿花を大量栽培するために用いられる農薬や殺虫剤による土壌汚染や健康被害が深刻な問題となっています。この問題をクリアにしていくために必要とされているのがオーガニック栽培。しかしオーガニック栽培への移行期間や、生産量が下がることによる収入減は農家にとって死活問題であるため、その「良さ」は理解できていてもなかなか浸透しにくい状況にあります。

オーガニック農法の導入には、まず土壌から汚染物質を完全に排除するため、3年間無農薬で作物を育てることが必要となります。この期間はオーガニックコットンとは認証されない上、農薬や殺虫剤を使えないことで生産量が大きく減る危険性も伴っており、農家の経済的負担は非常に高いハードルとなっています。

 

そこでその移行期間の支援に取り組み始めたのが、株式会社クルックと伊藤忠商事株式会社が行う「プレオーガニックコットンプログラム」でした。

貧困と健康被害に苦しむインドのコットン農家が、もっと積極的にオーガニック栽培へと踏み出していけるよう、農家・紡績会社・アパレルブランド・小売店・消費者が一体となり、移行期のサポートをビジネスを通して行うサスティナブルなプロジェクトです。

 

具体的な取り組みとしては、収穫量が下がった分を綿花購入時に「オーガニック栽培支援費」として上乗せして収入をサポート。さらにオーガニック栽培農法の指導や、オーガニック認証取得のサポートなども行っています。そして私たち消費者に対しても途上国の実情を告知し、「購買」というカタチでオーガニック栽培に賛同する意思表示ができることを広めています。

2007年に始まったこの活動は約40社の国内アパレル企業が参加し、3年間で延べ2,500もの農家の支援を行うことができました。その実績が評価され、2011年にはグッドデザイン賞の「サスティナブルデザイン賞」を受賞しています。

・環境と健康、利便性も重視した「サイクルシェアリングのプラットフォームデザイン」

 

都心部や観光地などで良く見かけるようになったサイクルシェアリング。

自転車は環境負荷が低く、渋滞の影響もあまり受けない誰もが手軽に利用できる交通手段です。また日常生活で積極的に自転車を利用することにより運動不足の解消にも繋がり、生活習慣病の予防やストレス軽減といった健康上のメリットも期待できます。

 

そんな自転車を有効活用し、多くの人が利用しやすいシステムとして浸透しつつあるのがサイクルシェアリング(CS)という取り組みです。小規模な実験段階では導入や運営コストなどに様々な課題があり、持続可能なサービスとして実施するのは困難とされてきました。そんな中、株式会社NTTドコモと株式会社ペダルは「汎用型CSシステム」を共同開発。高機能でありながら導入コストを下げることにも成功し、日本のサイクルシェアリングシステムを見事に構築したのです。まさにドコモならではのネットワークやサービス基盤を活かした取り組みといえます。

 

このサイクルシェアリングは、借りた場所まで戻る必要がなく近くのサイクルポートに返却ができること、坂道も楽に走れる電動アシスト付き自転車、事故に備えた各種損害保険を付保するなど、利便性に優れたサービスとなっています。またモバイルの活用で予約・貸出・返却などの手続きが手軽に行えることに加え、移動距離や軌跡、消費カロリーなども記録。健康維持のためのモチベーションアップにも繋がり、自転車に乗ることを楽しく続けられるきっかけにもなっています。

また自転車を「個人所有」から「共有」へと変えていくことで、自転車の盗難や無駄な廃棄、違法駐輪などといったトラブルの減少も期待できると言われています。

 

このサイクルシェアリングの取り組みも、2011年グッドデザイン賞の「サスティナブルデザイン賞」を受賞。サービス提供エリアは全国に広がっています。

 

大量生産される安価な商品や、使い捨てが当たり前になっている身の回りのアイテム。「便利」や「お得」といった言葉に流されてしまいがちですが、その先には地球環境に大きなダメージを与える深刻な未来が待ち受けています。

それを回避するために必要なのは「壊す」のではなく「守る」こと。

限りある資源を大切にし、「人」「物」「コト」のすべてにサスティナブルデザインを意識して取り入れていくことが重要です。

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