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今注目すべき、サスティナブルな話題

海を守れ!サスティナブル・シーフード空港が変えていく海洋環境

この話題に関わるSDGsの目標

世界的に深刻な社会問題となっている海洋汚染問題に対し、海の環境を守ろうとする取り組みは様々なところで行われています。
その中でロンドンのヒースロー空港にて行われている海洋環境を守る取り組みが高く評価されています。世界初の「サスティナブル・シーフード空港」と認定されたヒースロー空港は一体どのような取り組みが行われているのでしょうか。詳しくご紹介いたします。


■世界初の「サスティナブル・シーフード空港」

・「サスティナブル・シーフード空港」とは

イギリスの首都ロンドン西部にあるイギリス最大の空港ロンドン・ヒースロー空港は、
90を超える国々、そして180を超える目的地に飛ぶ飛行機が集まり、毎年8,000万人以上もの乗客が利用する世界でも最大規模の空港です。
そんなヒースロー空港が2019年6月、より良い食料と農業のための国際的な連合組織である「Sustain」の認定を受け、世界初の「サスティナブル・シーフード空港」となりました。

これは空港内にあるすべての飲食店が持続可能な魚介類の仕入れポリシーに基づき、追跡可能で持続可能なサプライチェーンを確保していることを指しています。

 

・”持続可能”なシーフードだけを提供していく

現在空港全体ではマグロやサーモンを筆頭に20種類以上のシーフード料理を年間400万食提供しており。バラエティに富んだメニューが用意されています。

今後はその内容についてもさらに検討される見通しとなっており、海洋保全団体「Marine Conservation Society」によって「最も持続可能性が低い」と指定された魚介類の提供を年内にも止める予定になっています。

「Marine Conservation Society」はイギリスを代表する海洋慈善団体で、健康で豊かな海の環境を守るための活動を行っています。

「グッドフィッシュガイド」という取り組みでは、様々な魚介類の持続可能性を5段階で評価し、公式HPでもその詳細を発信しています。

 

・ヒースロー空港の取り組みの波及効果

ヒースロー空港の「サスティナブル・シーフード」への取り組みはこれだけではありません。

より豊かな水産資源は積極的に利用していくこと、また「一本釣り」など海洋環境への影響が少ない漁法を用いているなど、海の持続可能性に責任を持った取り組みをしている漁業従事者から仕入れを行う方針としています。

また、持続可能ではない魚介類はメニューから外し、サスティナブルな仕入れを模索していくという取り組みも行なっています。

このような取り組みをヨーロッパ最大級のヒースロー空港がスタートさせたとあって、影響力は非常に大きいものとなっており、すでにイギリスの飲食業者では「食」においての持続可能性を求める動きが加速しています。

ヒースロー空港の食品・飲料責任者ベン・クラウリー氏は、「ここのすべてのパートナー企業が努力を惜しまず、ヒースロー空港を利用するすべての乗客にサスティナブルな魚を提供できることを誇りに思います。品質と美食のために、海を犠牲にすべきではありません。」と語っています。


■「サスティナブル・シーフード」とは?

「サスティナブル・シーフード」とは、持続可能な漁業・水産業で獲られた魚介類を使った食品のことを指します。

魚介類食品は「天然」と「養殖」に分けられており、このうち「天然」によるものはMSC(Marine Stewardship Council:海洋管理協議会)の認証を得た漁業で獲られた水産物とされ、「養殖」の場合はASC(Aquaculture Stewardship Council:水産養殖管理協議会 )の認証によるものとなっています。

・MSC認証

MSCは1997年に設立された持続可能な漁業の普及に取り組む国際NPOで、本部はロンドンにあり、日本事務所は2007年に開設されました。
私たちの食卓に並ぶシーフードは、成長するスピードや繁殖力に配慮して漁獲量をコントロールすれば、これかも食べ続けることができます。

しかしこのコントロールを適切に行わないと、海の生きものは減る一方、近い未来にはシーフードを安全かつ等しく食べられるかどうかはわかりません。
MSCではこういった未来を考慮し、豊かな海を守るために、持続可能で環境に配慮した漁業の普及に取り組んでいます。
MSCでは、基本的に3つの原則を柱に漁業認証の審査を行っています。

 

「対象となる水産資源が豊富で、資源管理されている」
「生態系におよぼす影響が最小限に保たれている」
「法律や規則に従って漁業が行われている」

 

このような認証を取得した商品には、

「海のエコラベル 持続可能な漁業で獲られた水産物 MSC認証」

と書かれたラベルが付けられます。
私たち消費者がこの商品を購入することによって、水産資源や海洋環境を守る取り組みを行っている漁業者を支援することに繋がり、持続可能で適切に管理された漁業が広がることになります。

・ASC認証

サスティナブルな天然の水産物に認証されるMSC同様、養殖による水産物にも認証を行う仕組みがあります。

これをASC(水産養殖管理協議会)と呼び、WWF(世界自然保護基金)とIDH(オランダの持続可能な貿易を推進する団体)の支援のもと、2010年に設立された国際的な非営利団体です。

養殖業者、加工業者、小売業者や食品サービス業者、科学者、環境NGOそして消費者と協力しながら、次のような取り組みを行っています。

 

「ASC養殖認証制度と水産物認証ラベルを通じて、責任ある養殖を認定し、その実施を支えること」
「水産物の購入時に環境的・社会的にベストな選択をするように奨励すること」
「水産物市場の持続可能性に向けての変革に寄与すること」

 

現在世界の水産物のおよそ半分を占めているのは養殖によって育てられたシーフードであり、最も成長が著しい産業と言われています。
養殖場建設による自然環境の破壊、海洋汚染、餌となる天然魚の過剰利用、養殖魚が逃げ出したことによる生態系の攪乱、劣悪な労働環境といったケースも指摘されており、大きな社会問題となっています。
ASCでは、環境に大きな負担をかけず、地域社会にも配慮している養殖業を「認証」。
認証を受けた業者が取り扱う商品には「責任ある養殖により生産された水産物 asc認証」と記されたラベルを貼付することで、消費者が分かりやすく一目で判断できるようにしています。
また、国内でMSC認証商品やASC認証商品を通年取り扱っているのはイオンやマックスバリュ、生協、IKEA、コストコなど有名商業施設に多くあり、私たちの生活においても手が出しやすい場所にあります。

国境を越えて環境問題を考える機会を提供するヒースロー空港の取り組みは、今後日本にも取り入れるべきだといえる内容です。
また、私たち消費者においてもMSC認証商品やASC認証商品を購入することによって、水産物の保護に参加することができ、この認証を知ることによって取り組みの輪が広がることにも繋がります。MSC認証商品、ASC認証商品を見かけた時には、ぜひ一度気にかけてみてはいかがでしょうか。

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