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沖縄のサンゴ礁も守っていた…意外と知らないQUEENのブライアン・メイの活動

この話題に関わるSDGsの目標

映画「ボヘミアン・ラプソディ」で再び脚光を浴びて、若い世代にも絶大な人気を誇るイギリス出身ロックバンドの「クイーン」。
そのクイーンのギタリストであるブライアン・メイ氏は音楽だけではなく、天体物理学の博士号取得や、動物愛護運動家としても熱心な活動を行っているって知っていましたか?
この記事ではクイーンのブライアン・メイ氏の音楽活動以外の、あまり知られていないSDGsな活動についてご紹介します。

■イギリスのシンボル動物”アナグマ”を守る取り組み

・天体物理学の研究者でもあるブライアン・メイ氏

「クイーン」のメンバーとしてロックバンドの頂点を極め、「歴史上もっとも偉大な100人のギタリスト」にも選ばれたブライアン・メイ氏。
自作とされるギター「レッド・スペシャル」は、自宅テーブルのオーク材や知人宅にあった100年以上前の乾燥した暖炉の木材などを材料に、エンジニアの父と一緒に2年の歳月をかけて作ったと言われています。ギターを弾くとき普通はピックを使用しますが、ブライアン・メイ氏はコインを使って演奏することが良く知られています。
大学院では宇宙工学を研究し、クイーンがまだ売れてない頃は中学校の講師として勤務していたこともありました。2007年からは天体物理学の研究を再開、そして論文を完成させ博士号も授与されました。2019年2月には、小惑星リュウグウへの着陸に挑戦する日本の探査機「はやぶさ2」への応援メッセージなども発信しています。

・牛結核とアナグマ駆除

イギリスで牛結核が問題となり、それを媒介している可能性がある野生のアナグマの駆除が認められ、酪農者による殺処分が行われてきました。
それに対し異議を唱え、アナグマ駆除の撲滅を訴え続けてきたのがブライアン・メイ氏。
2012年12月、国際動物愛護団体「動物の倫理的扱いを求める人々の会(PETA)」のイギリス支部から、パーソン・オブ・ザ・イヤーに選ばれました。「PETA」は1980年にアメリカで創立された動物の権利団体。イギリス、オーストラリア、ドイツ、フランス、オランダ、インド、アジア太平洋地域などに支部を持っています。「動物は、食べ物、衣類、実験、娯楽、いかなる虐待のためにも存在しているわけではない」というスローガンを掲げて活動しています。

ブライアン・メイ氏が守ろうとしているアナグマは、白と黒のストライプがトレードマークのイギリスの固有種「ヨーロッパアナグマ」と呼ばれており、日本ではあまり馴染みがありませんが、イギリスでは童話などにも登場するシンボル的な存在でありイギリス国民にとっては非常に愛着のある動物でもあります。
しかし1970年代に野生のアナグマから結核菌が発見され、結核を媒介する野生動物というレッテルを貼られてしまいます。牛を育てる酪農者や専門家の意見によりアナグマの駆除計画が発表されると、イギリス国内はもちろん、世界中に大きな波紋を広げることになりました。

・アナグマも牛も苦しませたくない…強い気持ちから生まれたTeat Badger

この計画に対し、反対運動が活発化。複数の団体が反対活動を行っています。これらの団体が連合して作られたのが「Team Badger(チームアナグマ)」。その中心的な存在となっているのがブライアン・メイ氏なのです。
ブライアン・メイ氏は
「畜牛の結核感染予防はアナグマを殺処分することではない」
と断言。
実際にアナグマの駆除が結核予防感染に効果があると科学的に立証されたわけではなく、その方法が有効であるとは断定できない状況にあります。
アナグマも牛も苦しませたくないと強い思いから、ブライアン・メイ氏はあらゆる機関に働きかけ、牛へのワクチン接種での結核感染予防に尽力しています。
人間が暮らし始める何千年も前からイギリス諸島に生息していたとされるヨーロッパアナグマ。そんなアナグマたちを虐殺という手段から守りたいと立ち上がった人々。「アナグマはイギリスの野生動物の象徴」と言うブライアン・メイ氏は、動物愛護団体のリーダー的存在であり、大きな希望でもあると言っていいでしょう。
2009年にブライアン・メイ氏は「Save Me Trust」という団体を設立。イギリスでのアナグマの殺処分やキツネ狩り復活への反対運動、また世界のあらゆる動物の保護やサポート活動、森林地帯の修復などにも力を注いでいます。

■日本でも活動!沖縄の辺野古埋め立て工事停止を呼びかけていたブライアン・メイ氏

2019年2月に実施された沖縄の米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設の賛否を問う県民投票。移設反対が72%、賛成が19%という結果が出たものの、この投票結果による法的拘束力はないため、現在も粛々と移設のための工事が行われています。
基地を移設するためには辺野古沿岸の埋め立て工事が必要となっていますが、この場所は貴重なサンゴ礁や絶滅危惧種であるジュゴンの餌の海草が広がる海域。県によると絶滅危惧種262種を含む5,800種類以上の生物が生息しているとのこと。埋め立てにより、これらの生態系が破壊され、自然環境に大きな悪影響を及ぼすことが懸念されています。

そんな中、県民投票実施に先立ち、ブライアン・メイ氏が自身の公式ツイッターで辺野古埋め立て工事停止を求める署名を呼びかけました。
2019年1月7日の未明、「緊急!!緊急!!米軍基地に脅かされている美しいサンゴ礁とかけがえのない生態系を守ろう」と記し、埋め立ての作業の一時停止をホワイトハウスに嘆願する電子署名への協力を呼びかけ、その数は二十万筆を超えたと言われています。
この呼びかけは大きな話題となり、各メディアも取り上げ、世界中から注目を集めました。
ブライアン・メイ氏という世界的な大スターがこの問題に目を向けてくれたことで、その後に実施された県民投票にも大きな影響を与えたことは間違いありません。

「クイーン」のメンバーとしてロック界を牽引してきたブライアン・メイ氏。
ファンはもちろんですが世界中の人々への影響力は今も衰えることなく、その発言や行動は注目され続けています。
ブライアン・メイ氏の動物愛護への思いが世界中に浸透し、救える命・守れる命を大切する意識が広がることが、豊かな地球の未来に繋がっていくのでしょう。

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