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衝撃…7人に1人の子どもが貧困という問題に取り組む”おてらおやつクラブ”

この話題に関わるSDGsの目標

今現代、日本の子どもの7人に1人が貧困状態にあるということをご存知ですか?厚生労働省の報告した物によると、2015年17歳以下の子供の相対的貧困率が13.9%と、日本の子どもの役7人に1人が相対的貧困状態にあるということを示されています。2014年OECDの発表でも日本の貧困率は先進国34カ国中10番目と、高い数字であることがわかっており、今現代でも1日3食を摂ることができない、慢性的な空腹感に苛まれる貧困は、喫緊に解決すべき大きな社会問題となっています。
今現在、子ども食堂やフードロスを減らす活動が広がりつつある今、全国のお寺をネットワークとした食糧支援の取り組み「おてらおやつクラブ」が注目されています。
ここでは昔から庶民に支えとなってきたお寺が広げる、もっと身近に人と人との繋がりを大切にした「おてらおやつクラブ」の活動をご紹介します。


■「おてらおやつクラブ」の始まったきっかけとは

「おてらおやつクラブ」とは全国のお寺と支援団体、檀信徒そして地域住民が協力し、社会問題となっている貧困問題の解決を目指す取り組みです。
具体的にはお寺にお供えされる「おそなえ」を、仏さまからの「おさがり」として経済的に困難な状況にある家庭へ「おすそわけ」する活動です。
活動に賛同するお寺も増え、お菓子や果物といった食品から日用品まで、幅広い品物が子どもやひとり親家庭などを支援する各地域の支援団体に届けられています。

・「お仏飯」の考え方

大阪市北区のマンションで起きた母子餓死事件をきっかけに取り組みがスタートした「おてらおやつクラブ」は2019年6月現在、参加する寺院の数は1,251。おやつを受け取った子どもの数は月間のべ約10,000人にのぼります。
朝一番にお仏壇や本堂のご本尊さまにお供えする炊き立てのご飯や、仏さまにお供えされるもの全般を指す場合にも使われる「お仏飯」。僧侶の皆さんは、この「お仏飯」を「おさがり」として頂戴し、育てていく存在です。これはすべて「仏さまの慈悲」によって育てられていると考えられています。
「おてらおやつクラブ」の活動は、「お仏飯」を「おすそわけ」するという食糧支援の側面もありますが、「仏さまのお慈悲をお届けすること」「困っている方々が助けを求めることができるような孤立しない状況をつくっていく」ことが一番大切であると考えた取り組みなのです。

・人の温かさを伝える、絵手紙の寄付活動

「自分の絵手紙でお母さんたちに元気のおすそわけをしたいと考えております。差し支えなければ、絵手紙を使っていただく事は可能でしょうか?」
そんな1通のメールから始まったのが絵手紙の寄付でした。
食品や日用品の「おすそわけ」は3ヶ月に一度となっているので、次の機会が訪れるまでの2ヶ月間は送ることができません。その空白の期間の近況を聞かせてもらう手段として「絵手紙」を送る取り組みを続けていましたが、送付する家庭が増え続けてきたことで絵手紙が不足する事態になり、事務局でも頭を抱えていたところに嬉しいメールが届いたのです。
「おてらおやつクラブ」では、
「ほかにもこのような方が全国に多くいらっしゃるかも知れない。書いたままで出されることのない絵手紙が多くあるかも知れない」
と考え、絵手紙の寄付の募集をスタートさせました。お母さんたちを励ます「ひとりじゃないよ」「いつも一緒だよ」「元気が一番」といった絵手紙をはじめ、「夏の日差しが眩しいね」「雨もまたよし」「春の楽しみ」といった季節を感じる子ども達へのメッセージなど、読む人が笑顔になれるようなあたたかい思いがあふれる内容となっています。
つらい思いをしている人や頑張っている人に届けたい思い。
手作りならではのぬくもりが、やさしさや思いを繋げる嬉しい取り組みとなっています。

おやつを受け取った親御さんたちからは「見守ってくれる存在のありがたさ」への認識と、感謝の言葉が届けられます。貧困は「食べられない」ということだけでなく、孤立というかたちを招いて心も蝕んでいきます。
食糧支援だけではなく、「人と人との繋がり」を大事にしているのが、「おてらおやつクラブ」ならではの活動といえます。


■様々な企業とコラボするおてらおやつクラブの取り組みをご紹介

・株式会社ユーハイムとの共同企画「シェアザバウムクーヘン」

2016年からスタートした「バウムクーヘン博覧会」はご当地バウムや、バウムクーヘンを作る体験型コーナーなどで楽しめるイベント。この会場にチャリティコーナーを設置し、「バウムクーヘンをシェアしよう」というメッセージのもと来場者に100円以上の寄付活動が行われました。集まった寄付金をユーハイムのバウムクーヘン購入費用に充て、「おてらおやつクラブ」の賛同寺院や団体を通してたくさんの子ども達に届ける取り組みです。ユーハイムでは「貧困に苦しむ多くの子ども達の力になりたい」と「おてらおやつクラブ」の活動に共感。「シェアザバウムクーヘン」の共同企画を毎年展開しています。

・全国のカレー好き僧侶が企画・販売した「ほとけさまのやさしい精進カレー」

仏教発祥の地であるインドから伝わってきたカレーは、今では最もポピュラーなメニューとして幅広い世代に親しまれています。この「ほとけさまのやさしい精進カレー」は、全日本仏教青年会に所属する全国のカレー好き僧侶と、オーガニックライフを提案する株式会社CHAYAマクロビフーズが企画し、肉、卵、乳製品、白砂糖、化学調味料は使っておらず、野菜やスパイス、昆布や味噌など日本の伝統調味料で作られています。保存料、合成着色料、香料も不使用なので、とってもヘルシーです。商品の売り上げの一部が「おてらおやつクラブ」に寄付されており、このカレーを食べることで誰かの笑顔に繋がる素敵な取り組みとなっています。

・「JAMMIN」×「おてらおやつクラブ」のコラボアイテムの販売

おてらおやつクラブは京都のチャリティ専門ファッションブランド「JAMMIN」とコラボしたTシャツやエコバッグを販売しました。売り上げの一部がチャリティされる仕組みとなっており、アイテムにはペロペロキャンデーを持った手がデザインされ、その手の形は弥勒菩薩に見られる仏さまの印相が表現されています。そしてその上には「Hand in hand and Heart to heart」のメッセージが描かれており、手から手へ、心から心へという「おてらおやつクラブ」の思いがデザインされているアイテムとなっています。

■古本勧進やお金で寄付する方法も

おてらおやつクラブでは、自宅に眠る古本やCD、DVD、ゲームソフトなどを通した寄付も受け付けています。
提携する株式会社バリューブックスが集荷・査定を行い、その買い取り金額が「おてらおやつクラブ」に寄付されます。その寄付金は全額「おてらおやつクラブ」の活動資金に充てられ、貧困家庭への「おすそわけ」に役立てられます。
また書き損じのハガキ・年賀状(未投函のものに限る)も受け付けています。
買い取り対象となるのは年賀ハガキ、官製ハガキ、往復ハガキ、かもめーるなどの額面50円以上のものとなっています。

他に「お金を送る」寄付の方法も受け付けています。
500円、1,000円、3,000円、5,000円、10,000円の中から毎月決まった金額を寄付する「継続的な寄付」や、好きな金額で申し込める「今回のみの寄付」から選ぶことができます。

食糧支援に留まらず、「人と人との繋がり」を大切にする「おてらおやつクラブ」の活動は、「寄付」という言葉ではなく、「おすそわけ」という言葉を用いている点にも、やさしさやぬくもりを感じます。
昔から庶民の心の支えとなってきたお寺の存在。
空腹を満たすことだけではなく、心の豊かさにも着目した取り組みとなっています。

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