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今注目すべき、サスティナブルな話題

世界的女優エマ・ワトソンが取り組むフェアトレード、その現実とは

この話題に関わるSDGsの目標

映画「ハリー・ポッター」シリーズのハーマイオニー・グレンジャー役で一躍人気女優となったエマ・ワトソン。
2017年に公開されたディズニー映画「美女と野獣」では優しさと勇気を兼ね備えた可憐な主人公・ベル役を演じました。活躍の場は映画に限らず、ファッションブランドの「バーバリー」や、化粧品ブランド「ランコム」の広告塔も務めています。
ファッション業界の仕事もしているエマ・ワトソンは、フェアトレードに対する意識も高く、「ピープルツリー」のクリエイティブアドバイザーを務めたこともあります。
今回はそんなエマ・ワトソンのフェアトレードを広める活動をご紹介していきます。

 

■フェアトレード専門ブランド「ピープルツリー」とのコラボコレクション

・フェアトレードに取り組む「ピープルツリー」

フェアトレードカンパニー株式会社のフェアトレード専門ブランドである「ピープルツリー」をご存知ですか?
エシカルで地球環境にやさしく、サスティナブルなファッションを20年以上作り続けています。
アジア、アフリカ、中南米など18ヶ国約130の団体と共に、オーガニックコットンを使用した衣料品やアクセサリー、食品や雑貨等、そのエリアで採れる自然素材を用いた手仕事による商品を企画開発・販売しており、これにより途上国の経済的、社会的な発展を支援し、環境にやさしい持続可能な生産を目指している企業です。

また、「ピープルツリー」は世界フェアトレード連盟(WFTO)の認証を受けており、

「生産者に公正な対価を支払う」
「児童労働および強制労働を排除する」
「安全で健康的な労働条件を守る」

などといった「フェアトレードの10の指針」を守った活動をしており、また、

「森を壊さない」
「水を汚さない」
「空気を汚さない」
「人と命を守る」
「無駄にしない」

という5つの環境ポリシーをも掲げています。
染色は発がん性物質を含まないアゾフリー染料を使った草木染め、プリントには生物分解されないポリ塩化ビニルを含んでいない顔料を使用しているものを使用しており、非常にエシカルな商品といえます。
またアップサイクルも積極的に行っており、中古のサリー生地やニット製品の余った毛糸などを使って衣類や服飾雑貨などに作り変える「素材のリサイクル」も実施しています。

・エマ・ワトソンとピープルツリーとの出会い

ピープルツリーは2007年からは有名デザイナーや企業とのコラボレーションによる商品企画の販売を開始され、2010年の春夏コレクションでは、女優のエマ・ワトソンとのコラボレーションが実現しました。
ピープルツリーの商品の8割はフェアトレードのオーガニックコットン100%を使用しており、紡績や縫製といった生産もフェアトレード団体によるもとなっています。結果、インドやバングラデシュ、ネパールの弱い立場に置かれた人々の力になっています。

エマ・ワトソンが「ピープルツリー」を知るきっかけになったのは友人が着ていたTシャツが始まりでした。
Tシャツが気になったエマ・ワトソンが、それをどこで購入したのかを聞いたところ、それが「ピープルツリー」の商品だった、という出会いでした。

その友人はピープルツリーの商品の説明だけではなく、代表者であるサフィア・ミニーさんをエマ・ワトソンに紹介したところ、2人はすぐに意気投合し、若い世代へ向けた「People Tree Love from Emma」というコレクションを作ることとなりました。

エマ・ワトソンはピープルツリーの取り組みについてこう語っています。

「ファッションという影響力の強い産業を通じて貧困をなくそうというのは、楽しくもありすごくいいこと。慈善団体に寄付するのとは違い、フェアトレードだと尊厳を持って自ら貧困から抜け出そうと奮闘する人たちに手段を提供することができる。仕事をする機会を創り出し、誇りを持ってもらうことができる」

エマ・ワトソンはフェアトレードに対し強い関心と行動力を持ち、今でもその取り組みは続けています。

■過酷な労働環境と生活…エマ・ワトソンが目にしたバングラデシュの現実

バングラデシュの北西部にある小さな村タナパラは、1971年の独立戦争時に戦場となり、民兵として戦った多くの男性が虐殺された、いまだに住民の傷が癒えていない地域です。
そこで、貧困と絶望の中で危機的状況にある女性たちの暮らしをサポートするため、1973年にピープルツリーの生産者パートナー「タナパラ・スワローズ」が設立されました。
女性中心のプロジェクトとして、手織りや手刺繍、縫製などといった手仕事や、貧困家庭の子どものための小学校の運営等、地域に密着した活動を行っています。
このタナパラ・スワローズは、ピープルツリーが推進するフェアトレードによって経営が安定、そして女性たちの自立にも繋がっています。

エマ・ワトソンは2010年にタナパラ・スワローズがあるバングラデシュを訪問し、現地の女性にインタビューをしたり、はた織りの準備を見学したりと熱心にその現状を受け止めました。

ダッカのスラムでは、ファストファッションのために工場で働く労働者の劣悪な生活が現状としてあります。
労働者たちが住む建物には設備と呼べるようなものは殆どなく、ワンフロアに8~9部屋があるのにも関わらず、シャワーや洗い場、床に穴を開けただけのトイレが一つずつあるだけという環境です。シャワーや洗い場、トイレに関してはひと家族4人として計算しても30人以上が共有している状態という、健全な生活するにはまだ必要なものが多い状態といえます。また多くの母親はスラムの工場に毎日通うため、子どもと600マイルも離れて暮らさなくてはならない労働環境を強いられています。

そんな状況で暮らしている人に対し、タナパラ・スワローズは生活そのものは質素であるものの、清潔でコミュニティがある環境を整備しています。
家族が一緒に暮らし、自分たちのやっていることに愛情と誇りを持って暮らしをできるよう取り組みを持っています。

訪問した際、エマ・ワトソンは手作業で行う服作りにもチャレンジ。スワローズの女性たちと一緒にコミュニケーションを取りながら、積極的に作業に加わりました。

エマ・ワトソンはこのような経験から、フェアトレードの大切さを理解し広める必要性を強く感じ、活動をし続けています。
女性が男性と同じ賃金で働ける男女平等、家庭内暴力を受けた女性のための支援、貧困家庭の子どもでも受けられる平等な教育など、途上国ではフェアトレードによって解決できる問題が多くあります。
寄付で助けるのではなく、自立を支援する未来へ繋がる取り組みをすることがその問題を解決できる1歩でもあるといえます。

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