Media

今注目すべき、サスティナブルな話題

バナナペーパーが貧困を減らすー日本初のフェアトレード認証紙が今注目されているワケ

この話題に関わるSDGsの目標

私たちが毎日何気なく使っている様々な紙や紙製品。

それらは地球温暖化の原因でもある「森林の伐採」によって作られています。

ペーパーレス化やリサイクルへの取り組みなどで、紙の消費量も少しずつ減少傾向にあるものの、失ってきた自然環境を元に戻すことは容易ではありません。

日本初のフェアトレード認証の紙となったバナナペーパーは、以前は廃棄していたバナナの木の茎の繊維を利用して作られています。

ここではバナナペーパーが生まれるまでのプロセスや、そのメリットについてご紹介していきます。

 

■日本初のフェアトレード認証の紙バナナペーパーとは一体?

○リサイクルペーパーやFSC認証の紙

ペーパーレス化も少しずつ広がりつつありますが、木の再生が紙の消費量に追いついておらず、地球環境にとって非常に重要な森が失われている状況です。森が失われるということは、そこに住む生きものたちの生態系にも大きな影響を与えます。

そこで森を守るためにリサイクルペーパーやFSC認証の紙を使用することが推奨されています。FSC(Forest Stewardship Council、森林管理協議会)とは国際的な森林認証制度を行う第三者機関のひとつで、森林の管理や伐採が環境や地域社会に配慮して行われているかどうかを、信頼できるシステムで判断します。適切に管理されている森だと判断された場合には、その森から生産された製品(木材製品や紙製品など)にロゴマークが付けられます。このマークの商品を購入することは、適切に森林を管理する林業者を支援し、森林保全へ貢献することへと繋がるのです。

 

廃棄される予定のバナナの木の繊維を使用

しかし木が十分な大きさに成長するまでは約10~30年がかかるとされ、リサイクルペーパーやFSC認証の紙を使用しても、森林を十分に再生させるには非常に長い時間を要します。

そこで注目されたのが、わずか1年で成長するバナナの木(正確には仮茎と呼ばれる)。

バナナが実をつけるのは1本の仮茎に1度だけ。収穫時には次のバナナの成長に備え、古い茎を切ってしまわなければなりません。その捨てられる茎の繊維を利用し、日本の和紙工場で古紙を加え、質の高い紙へと再生させたのがバナナペーパーの「ワンプラネット・ペーパー®」です。エコな取り組みということだけでなく、途上国の貧困問題を解消に導き、日本の伝統技術の継承や雇用創出といった大きなメリットにも繋がる可能性があります。

 

WFTO日本初認定の紙。全ての工程がチェックされている

「ワンプラネット・ペーパー®」は世界フェアトレード機関(WFTO)による認証を取得し、日本で初めてのフェアトレード認定の紙となりました。

WFTO認証ラベルとは適切な労働条件、安全な職場環境、正当な賃金や支払い、児童労働の禁止、自然環境への配慮などWFTOが定める数々の項目をクリアした団体に与えられる

ものです。原料調達から生産までのすべての工程に目を向け、商品を通して途上国の貧困問題や地球環境を守ることが目的となっています。

 

貧困問題を救い、環境問題に対応する「ワンプラネット・ペーパー®」

では「ワンプラネット・ペーパー®」がどのようにできているのか?

出来上がるまでの工程を簡単にご紹介します。

 

1.ザンビア国内のバナナ農家から、オーガニックバナナの茎を買い取る。

   ↓

2.買い取った茎から紙の原料となるバナナ繊維を絞り、乾かす(バナナペーパー工場inアフリカ)。

   ↓

3.計量や梱包を行い、日本へ発送。

   ↓

4.越前和紙の工場で、バナナ繊維に古紙やFSC認証のパルプと混ぜ合わせて抄造。

   ↓

5.「ワンプラネット・ペーパー®」の出来上がり。

 

バナナ農家は貧困層が多く、バナナの実だけでなく、これまで処分していた茎も販売できることによって安定した収入が得られるようになります。生活レベルの向上は、女性や子どもが教育を受ける機会や感染症の予防など、その地域の発展にも繋がります。「ワンプラネット・ペーパー®」の流通は、たくさんの人々の生活や未来を支援することにもなるのです。

 

■ここがすごい!たくさんメリットがあるワンプラネット・ペーパー®

廃棄されていたものから誕生した「ワンプラネット・ペーパー®」。そのメリットには次のようなものが挙げられます。

 

・森林保全~砂漠化や自然災害を防ぐ

・森林に住む絶滅危惧種を含む生物多様性の保護

・地域の人々の雇用の創出や貧困の解消

・化学物質を使用しないオーガニック商品なので地球環境にやさしい

・通常の木を使った紙と比べ、半分程度の量の水やエネルギーで製品化できる

 

環境にやさしいものを使用することは、私たち人間にとってもたくさんのメリットをもたらします。化学物質を使わないということはそれだけ手間もかかりますが、地元の人々の安定した雇用に繋がります。

買い物をするときに少しだけ意識を変えることで、地球の未来も変える可能性が高くなります。

 

■「ワンプラネット・ペーパー®」を使用している商品はどれ?

 

良く使用するA4サイズの用紙はもちろん、A1~A3用紙、ロールペーパー、封筒、卒業証書などの各種証書、証書ホルダー、筒形の証書ケース、名刺、バナナのイラストが刻印されたノートやメモ帳、スケッチブック等が人気のアイテムとなっています。

またマスキングテープ、シール、ラベル、折り紙、カレンダー、アフリカの動物が作れるペーパークラフト、包装紙やパッケージ、ペーパーコサージュ、子どもが使うお道具箱といった商品も販売されています。

 

バナナペーパーはアフリカの農家、日本の和紙工場、印刷会社、紙製品メーカー、そしてサスティナビリティ専門家とのコラボで誕生しました。アフリカで作業するメンバーの多くはこれまで長期的な仕事に就いたことがなく、生活のために森林の違法伐採や密猟などに手を染めるケースも珍しくありません。2011年にスタートしたバナナペーパープロジェクトは地元の環境や社会面でのメリットが多く、SDGsの17の目標すべてに繋がっている取り組みです。

買う側・使う側の意識が変わることで、大切な地球環境を守り、貧困の連鎖に苦しむ人々の生活を支援することができます。それは知らない国の話ではなく、私たち自身や子どもたちの未来を守ることにも繋がっていくのです。

 

Media一覧へ