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アディダスが立ち向かうプラスチック廃棄問題!ゴミを使ったスポーツウェアの正体

この話題に関わるSDGsの目標

幅広い世代から愛され親しまれている「アディダス(adidas)」は、2015年に海洋環境保護団体「パーレイ・フォー・ジ・オーシャンズ(Parley for the Oceans、以下パーレイ)」とパートナーシップを組み、積極的に海洋プラスチック問題の改善に取り組んでいるということをご存知ですか?

この記事では、「アディダス」の画期的な取り組みから、スポーツウェアの新たな可能性をご紹介していきます。

 

ゴミを活用したスポーツウェア!?プラスチック廃棄問題に立ち向かうadidas

※写真はイメージです                         

 

「アディダス」と「パーレイ」は、パートナーシップの成果として、1,400トンを上回るプラスチック廃棄物を海から回収し続けています。そして「アディダス」は「パーレイ」とともに、これらプラスチック廃棄物を活用したスポーツウェア作りに着手しました。

 

ゴミを活用するといっても、目指すのは従来の未使用プラスチック素材を使用したときと同じ、高性能なスポーツウェア。

当初、実現するのは難しいのではないかと思われていました。

 

しかし、最初のステップとしてフットウェアのコンセプトシューズを開発することに成功したのです。海洋のプラスチック廃棄物や違法な深海漁網から回収し、リサイクルした糸や繊維でシューズのアッパーを製作。そうして出来上がった製品は、2015年の国連でお披露目されました。

 

このコンセプトシューズを開発したことにより、プラスチック廃棄物をアップサイクルした素材を使い、数百万足ものシューズやアパレルを製品として販売することが現実的なものとなりました。

 

そして2019年、「アディダス」は、海洋のプラスチック廃棄物をアップサイクルした素材を使ったシューズを1千100万足製造すると公表。同年4月には、すべてのパーツにプラスチック廃棄物の素材を使った、100%リサイクル可能なランニングシューズ「フューチャークラフト.ループ(FUTURECRAFT.LOOP)」を発表しました。

 

着実に環境への負荷の少ないスポーツウェア作りにシフトしていっている「アディダス」は、「2024年までに未使用プラスチックの代わりに100%リサイクルポリエステルを製品に使用すること」を目標として掲げています。

 

プラスチック廃棄物を製品にするには

※写真のランニングシューズはイメージです

 

ここで気になるのが、難しいと言われていたにも関わらず、プラスチック廃棄物を使って従来と変わらない高性能なスポーツウェアをどのように実現したのかということ。

 

まずは「パーレイ」のクリーンアップネットワークによって、離島、海岸、モルディブなどの沿岸のコミュニティから、プラスチック廃棄物が回収されます。

 

それらは洗浄されラベルを剥がされてから、人の手によって選別と異物を除去。その後、加工工場に出荷され、粉砕、洗浄、乾燥の工程を経てプラスチック片になります。

 

プラスチック片は加熱してふるいにかけ、洗浄、乾燥、成形されてから冷却され、樹脂ペレット状に刻まれます。それらは溶かして繊維状の素材に加工された後、「PARLEY OCEAN PLASTIC糸」になります。これは、未使用プラスチックと同じような、高性能のポリエステル織糸です。

 

プラスチック廃棄物からできたポリエステル織糸を使用して、さまざまなシューズやスポーツウェアが作られるようになりました。それら素材でできたコレクションはすべて、プラスチック廃棄物を最低でも75%使用して作られています。

 

製品作りだけでなく、プラスチック排除を徹底する姿勢

※写真はイメージです

 

「アディダス」が生み出した、プラスチック廃棄物を活用したスポーツウェアは、画期的な製品です。そしてそれだけに留まらず、「アディダス」のプラスチックを排除しようとする姿勢が徹底されていることにも注目です。

 

「アディダス」は、店頭からプラスチックバッグを排除しました。その代わり、商品を購入すると紙袋に入れて渡してくれます。世界各国の「アディダス」オフィスでも、プラスチックの使い捨てを禁止しています。

 

また、2017年には、世界の主要6都市で12のランニングイベントを開催する「ラン・フォー・ジ・オーシャンズ(Run For the Oceans)」を立ち上げました。このランニングイベントは、参加者が1km走るごとに「アディダス」が「パーレイ」に1ドルを寄付するというもの。寄付金は、若い世代が海洋プラスチック汚染について学び、行動を促すことを目的とする環境教育プログラムに利用されます。「ラン・フォー・ジ・オーシャンズ」は毎年開催されるようになり、約100万人のランナー、そして100万ドルの寄付が集まるイベントとなりました。

 

製品作りだけでなく、店頭やオフィスでもプラスチックを使用しないことを徹底し、さらに社会貢献活動としてのイベントも開催している「アディダス」。そうした一つ一つの取り組みが、地球環境の未来を変えていくのでしょう。

 

ファッションの中でもスポーツウェアといえば、より機能性を重視される分野。アディダスが生み出したプラスチック廃棄物由来の素材を用いたシューズは、高性能かつ環境に優しく、ゴミを素材にしてしまうという点からプラスチックの新しい捉え方を教えてくれます。

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